障害とは何だろう

「障害者」と聞くと、一般的には「健常者」と呼ばれる人を基準に、その人の心身上に何らかの不全があるということをイメージされるのではないでしょうか。

そのような「障害」のとらえ方は、障害の原因を、医学レベルで個人に求めるという意味で、「医学(個人)モデル」と呼ばれます。
それは、障害者問題の原因を、見えない目や聴こえない耳、動かない手足に求めるため、障害者は、医師等の専門家の指導や訓練を受け、障害を軽減したりなくしたりする努力を強いられるので、障害当事者からは、「障害」はその人の個性であり、そのありのままを認めてほしいという声があがりました。

そして、障害者問題の原因は、障害者個人の心身にだけあるのではなく、多様なからだ、多様な人間の存在を無視して作られている社会にあるのだという「社会モデル」という考え方が新しく提示されました。

みんなで一緒にBBQ

私たちは、つい自分を基準に考えるので、目が見えないと聞くとその不便さ不自由さにうろたえますが、生まれつき目が見えない人にとっては、見えないのが当たり前で、私たちが思うほど不自由さは感じていないと聞いたことがあります。また、建物や交通アクセスのすべてがバリアフリーになっていれば、足の不自由さは「障害」とは感じられなくなるのではないでしょうか。

要するに、障害は、人と人の間、人と社会の間、つまり「関係性」にあるのです。
関係にあるという意味では、どちらか一方だけに原因があるのではなく、お互いの問題であると考えています。

CESでは、「障害」をなくすべきものと考えるのではなく、その人の「個性」のひとつと考え、「障害」がある人も、安心して暮らしていけるような社会を作っていくことをめざしています。そして、障害のある人たちにとって暮らしやすい社会は、障害のない人にとっても暮らしやすい社会であると考えています。