設立趣意

特定非営利活動法人CESとは

 障害があっても地域のなかで自分らしく暮らしていく社会をめざす、ノーマライゼーションの理念を具体的に実現する手段として、国は、2003年、支援費制度を導入しました。  支援費制度は、「措置から契約へ」の言葉どおり、行政がサービスの受け手やサービスの内容を決定する「措置制度」から、利用者の自己決定・自己選択を基本とする「契約制度」への転換であり、その目標は、「施設福祉から地域福祉」への転換です。

 しかしながら、現状では、自己選択するための前提である、選択肢としてのサービスが十分に整備されていなかったり、選択するための情報提供が不十分であったりと、まだまだその趣旨が実現する環境が整っているとは言えない状況にあります。

 1984年に、私たちがはじめた「八王子生活文化学校」は、八王子養護学校高等部の卒業生が中心になって、障害のある人もない人も、地域でともに学びあっていこうという、「地域」にこだわった活動でした。そして、1987年には、その卒業生を中心に、地域で働く場「八王子生活館」を、1998年には、ふたつめの地域で働く場「ゆいまーる生活館」を開設し運営してきました。そして、それら日中活動支援を中心にしながら、1989年より、将来の地域での自律した生活に向けての体験宿泊事業をはじめ、2001年には、日中活動支援とは独立した生活支援事業をおこなう組織として「自立生活体験室ステップ」を発足させ、一貫して「地域」での暮らしを支援してきました。

 前述したように、支援費制度がはじまりましたが、根本には財源不足の問題もあり、地域での生活を支援する制度や仕組みが十分ではありません。

 しかし、だからといって、「施設から地域」へという目標への歩みを緩めるわけにはいきません。こういう状況だからこそ、この問題は、単に一部の障害者の問題ではなく、「だれもが安心して暮らせる町をつくる」という地域の問題、社会の問題であるということを明らかにし、地域の人たちの後押しを受けながら、その推進をはかる必要があります。

 そこで、私たちは、これまでの障害当事者家族と現場職員を中心にした任意団体から、より地域に開かれた社会的な責任ある組織としての特定非営利活動法人を設立し、これまでの活動をより安定した継続的な事業とするとともに、グループホームやホームヘルプ等の地域生活支援事業を充実させることによって、障害があっても地域で自分らしく安心して暮らしていけるノーマライゼーション社会の実現を図ります。

2003年12月26日